砂糖は、甘くするために入れているんじゃない。フレーバー開発の裏側

砂糖は、甘くするために入れているんじゃない。フレーバー開発の裏側

余白手帖 vol.6

前回、「新フレーバーの制作でぶつかった壁の話を」と予告しました。今日は、その約束の話を。

漬け酒研究室の山本さんと進めてきた、夏の新フレーバー。正直に言うと、かなり苦戦しました。今日はその開発の裏側を、包み隠さずお話しします。

夏にぴったりの一本。選んだのは、マンゴー

目指したのは、夏にぴったりの一本。暑い夜に飲んで、素直に「うまい」と思えるもの。

いくつもの候補を並べたなかで、私たちが選んだのは——マンゴーでした。

どのお酒が合うのか。どんな配合がいいのか

そこからは、ひたすら漬けて、試しました。

ウイスキー、焼酎、ジン、ラム——いろんなお酒に実際に漬けて、どのお酒がいちばん美味しくなるのかを確かめる。同時に、素材の配合も少しずつ変えながら、何度も試作を重ねました。

スパイスの配合ひとつで、味が変わる

そこで、最初の壁にぶつかります。

「美味しくする」方向性は、実はいくつもあります。けれど、スパイスの配合をほんの少し変えるだけで、味がまるで別物になってしまう。ほんのわずかな差が、驚くほど大きく効いてくるのです。

レシピというのは、こんなにも難しいものなのか——。山本さんの手つきを間近で見ながら、そう痛感すると同時に、毎回たくさんのことを学ばせてもらいました。

砂糖は、甘くするためだけじゃなかった

今回いちばん「なるほど」と思った学びが、砂糖の話です。

ねかせハイには、どのフレーバーにも砂糖が入っています。原材料を見ると、きっと「甘さを調整するために入れているんだな」と思われるはず。実際、多少は甘くなります。

けれど、砂糖を加えている本当の理由は、そこではありませんでした。

砂糖が入ることで生まれる浸透圧の力によって、ドライフルーツの成分——香りや味わいを、しっかり引き出すことができる。砂糖は「甘くするためのもの」ではなく、素材の美味しさを“引き出すためのもの”だったのです。

こうしたことも、漬け酒研究室さんに一つひとつ教えていただきながら。そのうえで、全体の味のバランスは、ほかのスパイスで整えていきました。

「美味しさ」の手前にある、安全と製造の壁

もうひとつの壁は、「美味しさ」と「安全・製造」の両立でした。

素材は、新鮮であればあるほど美味しくなる——そう思いがちですが、実際はそう単純ではありません。新鮮すぎるがゆえに、レシピとして成立しない素材もある。美味しさを突き詰めるほど、安全面や製造面の制約とぶつかっていきます。

スパイスの配合ひとつで、味が決まってしまうこと。砂糖の、本当の役割。そして、美味しさと安全・製造の両立。「美味しくする」道はいくつもあるのに、そのどれもが一筋縄ではいかない——今回の開発は、それを何度も突きつけられる時間でした。

ただ、学んだことは本当に多く、「これからどう美味しくしていけばいいのか」。その方向性も、少しずつ見えてきた気がしています。

パイナップルより、もっとトロピカルに

そうして出来上がったのが、今回のマンゴーです。

ねかせハイの現行フレーバーでいうと、パイナップルは甘くて本当に美味しい一本。今回のマンゴーは、それとはまた違って——もっとトロピカルな雰囲気の味わいに仕上がりました。

そしてもうひとつ。今回のマンゴーは、ウイスキーはもちろん、ジンやラムにも合わせやすく作っています。

具体的に、新フレーバーがどんな味わいか、どのお酒とどう楽しむか——その話は、次回の余白手帖で。

7月24日、お届けします

発売は、7月24日です。もう少しだけ、お待ちください。

たくさんの壁にぶつかりながら、それでも「もっと美味しく」を諦めずに作った一本です。暑い夏の夜に、楽しんでもらえたらうれしいです。

次回は、「このマンゴーは、どのお酒に合うのか」の話を。
どうぞお楽しみに。